皆様には平素よりご高配を賜り、誠にありがとうございます。
当社は1957年に創業し、鎌倉梶原山住宅地の宅地造成から不動産開発をスタートさせました。以来60年超に渡り、社会の要請とお客様のニーズにお応えしながら、総合デベロッパーとして常に柔軟な発想で新たな事業にチャレンジしてまいりました。
住宅事業においては、分譲マンション「プラウド」を中心に、一戸建てや賃貸マンション、シニアレジデンスなど、お客様のニーズに合わせて多彩な住まいを提供しています。2023年は当社のマンション事業開始から60周年、「プラウド」ブランド誕生から20周年の節目の年であり、お客様向けの感謝イベントを開催し、多くのお客様にご参加いただきました。
また、ホテル事業について、当社の成長を担う重要な事業として位置付け、2024年より住宅事業本部内へ業務を移管しました。住宅事業で培った室内空間の快適性やホテル事業におけるホスピタリティ等の付加価値を、相互の強みを活かしながら磨きをかけ、成長スピードを加速させて参ります。
都市開発事業においては、働き方が多様化する中で、大型オフィスビルに加え、中規模で高機能かつ高グレードのオフィスビル「PMO」やサービス付き小規模オフィス「H¹O」、サテライト型シェアオフィス「H¹T」などを組み合わせたオフィスポートフォリオ戦略を積極的に推進。オフィスビル入居テナント向けのサービスプラットフォーム「NOMURA WORK-LIFE PLUS」の提供も開始し、ハードだけではなく、ソフト面でのサポートも行っています。さらに、独創的な商業施設「GEMS」や高機能型物流施設「Landport」など、様々なアセットを数多く開発しています。
また、「住まう、働く、憩う」などの機能を組み合わせた大規模複合開発にも積極的に取り組んでいます。実績のある市街地再開発事業に加え、マンション建替え事業、公的不動産や学校法人の土地利活用による複合開発、これらをソフト面で支えるエリアマネジメントなどのコミュニティ支援も強化しています。街づくりの幅を広げる新領域事業への挑戦も積極的に取り組んでいきたいと思います。
これらの事業は三大都市圏にとどまらず、地方中核都市においても再開発事業等に数多く参画するなど、そのフィールドは拡大しています。そして、国内での実績とノウハウを基に、成長著しい東南アジア各国を中心に海外においても積極的に事業を展開しています。
現在はベトナム、タイ、フィリピン、中国、英国、米国で住宅分譲事業やオフィス開発事業等に取り組んでおり、各国のパートナー企業と共に現地のお客様のニーズに合わせた商品やサービスの提供を行っています。海外事業は当社の大きな成長分野になると期待しています。
昨今は、顕在化する地政学リスクに加えて、建築費や人件費の上昇、労働力不足、金利上昇など、私たちを取り巻く社会情勢や経済環境が急速に変化しています。これらに対応していくために、当社は、野村不動産グループ2030年ビジョン「まだ見ぬ、Life & Time Developerへ」を掲げ、私たち自身が進化・変革しながら、人びとの様々な生活“Life”と、一人ひとりの過ごす時間“Time”を軸として、新たな価値創造を目指して参ります。
その一環として、当社は2025年に竣工予定の「BLUE FRONT SHIBAURA(芝浦プロジェクト)」へ、いよいよ本社を移転いたします。この移転により、当社のさらなる成長や持続可能な社会への貢献はもちろん、自らが率先して新たな働き方を実践するだけでなく、新しいオフィスの価値創造を実現いたします。お客様一人ひとりの生活や時間に寄り添いながら、これまで以上にチャレンジングな組織風土を醸成し、社員のウェルビーイングやエンゲージメントを一層高めていきたいと考えております。
引き続き、当社並びに当社グループをご支援賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。